明るくあたたかい文章が人気のトラクト「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。
第2号の全文をご紹介します。
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私は、生来落ち着きのない性格なのだが、そんな自分の趣味は、なんと茶道。お稽古の時には茶碗などを拝見することがあるのだが、ただの茶碗だと思って何気なく見ていたら、実はそれは人間国宝が造ったものだと分かったりする。その途端に扱いが丁寧になり、「うーん、いいものですねー」などと知ったかぶりをし始める。
同じ土から練ってできた茶碗でも、その価値によって扱いがまったく違ってくる。ある器はゴミ入れに、ある器は茶会で使われたりする。
私たちは、自分が価値ある存在だと自覚していると、自分を大切にするし、価値あることに自分を使おうとするようになる。逆に、自分など価値のない存在だと思っていると、自分を傷つけるような、価値のないことをしやすくなる。
もう10年以上前のこと、ある人がトランプタワーに装飾品のタイルを納入したところ、トランプさんから白紙の小切手が送られてきたそうだ。自由に値段をつけていいということらしい。どのくらいの額を書いたのかは聞かなかったが、トランプさんはよほどそのタイルを気に入ったのだろう。
もし神さまから、白紙の小切手が送られてきて、あなたという存在の値段を自由に書いていいと言われたらどのくらいの値をつけるだろうか。ちなみに、物品として売ると一人当たり4千万円近くになるそうだ。それは各臓器を売った合計額らしい。いくら何でも安すぎる。
自分で自分に値をつけるなどと考えると、思わず考え込んでしまう。それはナンセンスだと分かる。そんなこと自分で決められるものではない。ましてや、他人が、世間が、自分の価値を決めることなどできるはずもない。
ものの価値とは、誰がその作品を造ったのかということが決め手になる。人間国宝が造ったというだけで、価値は跳ね上がる。
それでは私たちを造ったのは誰なのだろう? もし神が人間を造ったのなら、人間の価値を決めるのは神しかいないということになる。しかも聖書には、神が人間を最高傑作品として造られたと書いてある。
2016年、レオナルド・ダビンチの新しい絵が発見されたそうだ。なんと18億円相当の値がついたらしい。ダビンチの作品でそれだけの値がつくのなら、神の最高傑作品である自分の値段はどれほどなのだろう。英語には、いい言葉がある。それは“Priceless” 「値段がつけられないほどの価値」という意味だ。白紙の小切手に書くとしたら、“Priceless”。これはいい言葉だ。
でも、でも…。今までどれほどこの「でも」というセリフを聞いただろうか。でも私なんて、でも私はこれができないから、でもあの人のようでないから、でもあんな失敗をしたから…、だから私なんかにそんな価値があるわけがないと。それでは一体、どうなったら、いつになったら、自分の存在価値を受け入れることができるのだろうか。
何度「でも」と言っても、「それでも」あなたの存在が最高に価値あるものであるという事実は変わることはない。
何ができるとか、できないとか、持っているとか、持っていないとか、外見がどうだとか、存在の価値とはそんなことで決まるのではない。存在の価値とは、あなたがあなたとして、今ここに存在しているという事実、それだけで十分なのだ。
今日も太陽が東から上り、西の果てに沈んでいく。夏の太陽も、冬の太陽も、晴天の太陽も、雲に隠れた太陽も、みんな同じ太陽。
あなたも、イケイケの時もあれば、へこむ時もある。突っ走れる時もあれば、うずくまる時もある。取り巻く状況も周囲の評価も変わる。しかし、あなたがあなたであることは変わらない。変わる必要もない。
あなたは、神の最高傑作品 “Priceless”なのだから。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道。
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