明るくあたたかい文章が人気のトラクト「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。
第4号の全文をご紹介します。
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私の子供時代は、ウルトラマンや仮面ライダーの全盛期だった。「シュワッチ!」とか言いながら、ウルトラマンになったつもりで泥だらけになって遊んだものだ。仮面ライダーの変身ベルトを買ってもらった時のトキメキは忘れない。それを腰に巻いて寝たことを今でも覚えている。
人は、心のどこかに変身願望というものを持っているようだ。大人になったら、自分がウルトラマンやセーラームーンにはなれないことは分かってくる。しかし、アニメのキャラクターや、あこがれのコスチュームに身を飾って、その気分を味わう人もいる。
ちなみに、もし自分が本当に変身できるとしたら、何に変身したいだろうか?
今の時代、ウルトラマンではなくても「変わりたい」という変身願望を持っている人が結構いる。心のどこかで、あの人のような容姿、あの人のような性格、あの人のような身分に、理想としている自分に変わりたいと思っているものだ。
私は、生まれつき肌の色がとても白い。色白のサーファーでは恰好がつかないということで、小麦色の肌にあこがれて、日焼けオイルを塗りまくって必死に日焼けしたものだ。しかし、小麦色というよりは、赤ピーマンのようになるだけで、理想の自分にはなれなかった。
背が低いことも、嫌だった。中学生に入った頃には、ジャンプすれば背が伸びると言われてバレーボール部に入った。苦手な牛乳を必死に飲んで一生懸命にジャンプしたが、背はあまり伸びなかった。
あんな明るい性格になれたらいいなと、その人の仕草や話し方を真似てみたこともある。
そんな自分の中にあった「変わりたい」という願望の根底にあるものは、「今のままの自分ではダメだ」という意識だった。
だから、変わりたいと思っていた。理想の自分になろうと必死に頑張った。しかし、その頑張りは、今の自分を否定することから始まる頑張りだ。変わろうとすることは、本当の自分を否定することと同じことになる。
だから変わろうと願って頑張れば頑張るほど、理想の自分になるどころか、逆に「今のままの自分ではダメだ」という思いはより強くなっていった。
この自己否定感はコンプレックス(劣等感)とも言われる。コンプレックスは、時に強大なエネルギーを生み出す。それを原動力に何かを成し遂げることもある。しかしそのエネルギー源は、自己否定から生じるものなので、そのエネルギーを使えば使うほど自己否定感は強くなってしまう。それがコンプレックスの厄介なところで、人がうらやむくらいの名声や立場や財産を手に入れたとしても、本人の自己否定感はより一層強くなっているということがある。
理想と動機は種まきの法則に似ている。動機が種で、理想が実だ。そして、実を決めるのは種なのだ。“自分はダメだ” という種をまき、理想の自分が実ることを望んで頑張っても、結局は “自分はダメだ” という実しか結ばない。実を決めるのは、種なのだから。
本当に人を変えるもの、それは愛だけだ。神の愛に触れるとき、確かに人は変わる。
ただそれは、こんな自分ではダメだ、変わらないと認められない、理想の自分にならないと存在価値がないという、その考え方が変えられることだ。
他人と比較し、劣等感を持ったり、優越感を持ったりする生き方から、他人と比べない、オンリーワンの自分を生きるように変わることだ。
自分はダメだという種をまく生き方から、自分は愛されているという種をまく生き方に変わることだ。
あなたは、あなた以外の誰かになる必要はない。変身しなくてもいい、あなたはあなたのままで最高に価値ある存在なのだ。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道。
Illustration by Rutsuko
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