明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。
今回は第８号の全文をご紹介します。
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空を真っ赤に染める一枚の写真を見て、ある人には、朝焼けに見え、ある人には夕焼けに見える。
見ているものは同じでも、受け取り方は様々だ。
自分にとっては、それが普通のことであっても、他の人にとってもそれが普通だとは限らない。いやむしろ違っていることの方が多い。自分の当たり前は、他の人の当たり前ではないのだ。
私たちは、当たり前のように、文字を左から右に読む。それが普通だ。でも、戦前は右から読むのが普通だったそうだ。
私たちの人生の物語を、左から右に読んだらどうなるだろうか。つまり、自分にとっての普通や当たり前ではなく、見方を変えることで、また違った人生の物語が展開してくることがある。
もしかしたら、あなたの人生には苦難が多いかもしれない。楽なハッピーな人生を送りたいのは当然だが、人生には予期しない苦難がやってくることがある。確かに人生には、「難が有る」。
しかし、この文字を逆に読んでみると、「有難い」に変わる。
私たちは、文字は左から読むのが普通だと思い込んでいるように、自分の人生を、自分だけの “普通” で決めつけてしまっていることはないだろうか。
こんな苦難があったら、普通は幸せにはなれないだろう。こんな失敗をしたら、普通ならもう立ち直れないだろう。こんな自分は、普通なら評価されないだろう…、それが当たり前でしょう…と。
たとえ人生に苦難が有っても、それが不幸なのではない。本当の不幸は、自分で自分の未来の扉を閉じることだ。
それでは、どうしたら「難有り」を「有難い」に逆読みすることができるのだろうか。
それは、愛されていることと、愛することを知ることによってできるのだ。
自分という存在は、どんなことがあっても、何ができてもできなくても、何を持っていても持たなくても、神に愛されていることに変わりはない。
存在に注がれる神の愛のゆえに、他者の存在を愛する力が与えられる。
もし、私たちが、他者を愛するという生き方を始めたら、すべての苦難が活かされる。その経験が、他者への共感、理解、知恵、思いやりを生み出すからだ。
そして、他の人の助けとなれた時、私たちは、この上なく幸せなのだ。
この苦しい経験があったからこそ、この豊かな人生が与えられたと知るとき、すべての「難有り」は、「有難い」という感謝に変えられる。
ある人が湖で釣りをしていた。ふと横の釣り人を見ていると、たくさんの魚を釣っていた。でも、釣れるたびに、物差しで魚の大きさを計っている。魚が物差しよりも大きいと逃がしてしまうのだ。逆なら分かるが、大きな獲物を逃がすのはもったいないと思い、「もしもし、どうしてせっかくの大きな獲物を逃がしてしまうんですか？」と尋ねると、その釣り人は「この物差しの長さは、うちのフライパンの大きさなのだよ」と答えたそうだ。
あなたの人生のフライパンは、どれくらいの大きさだろう。あなたの普通、当たり前が、その大きさを決めていて、いつの間にか、大きな祝福を取り逃していることがあるかもしれない。
人生の逆読みとは、自分にとっての普通、当たり前というフライパンを捨てることだ。そして、神に愛されている自分、神に造られた最高傑作品である自分、その前提で自分の人生物語を読み直してみることだ。
きっと、そこには今まで気づかなかった、新しい物語が展開していることだろう。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道。
Illustration by Rutsuko
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