明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。
今回は第9号の全文をご紹介します。
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1549年と言えば、フランシスコ・ザビエルによるキリスト教伝来の年として知られています。ザビエルと共にポルトガルからやって来た宣教師たちが、日本人に最も伝えたかったことは「神は、あなたを愛しています」ということです。
そこで、まず彼らがしたことは、当然ですが、日本語を習得することでした。その成果が「日葡辞書」の完成となりました。1603年に完成したこの辞書は、今でも複数の海外の博物館に所蔵されています。その辞書の中に、ポルトガル語の「カリダアデ」という言葉の日本語訳が載っています。
今なら「愛」と訳される言葉ですが、当時の日本では、この「愛」という言葉は現代とは意味が異なっていたので、訳語としては適当でなかったそうです。宣教師たちは、訳語を考えてさぞかし悩んだと思います。
皆さんなら、この「カリダアデ」という言葉をどのように訳しますか? 例えば「愛」という単語を使わないで「神は、あなたをカリダアデです」を訳すとするなら、どんなことばが適当でしょうか。
理解します。受け入れます。尊敬します。一緒にいます。赦します……等々。
夫婦、恋人、友達と、みんなで考えてみると、新しい発見があるかもしれませんね。
さて、宣教師たちは、これを「ご大切に」と訳したのです。
「神は、あなたを“ご大切に” 思っている」ということです。
「大切」という言葉は、もともと「大いに切迫している」という意味から来たそうです。
つまり、緊急事態が起こった時、例えば「火事だ!」という時に、真っ先に心に浮かぶもの、真っ先に手や足が向くもの、それが「大切」なものだということです。
もしそんな状況が起こったなら、あなたは、どう行動するでしょうか。まずは自分の命、家族のこと、ペット、財産、車、スマホ……? それが、あなたにとっての大切なものであり、人であろうと、物であろうと、あなたが愛しているものということになるでしょう。
さて、神があなたを愛しているということは、神にとって、あなたは「ご大切」な存在だということです。
神に緊急事態があるかどうかは分かりませんが、どんなことがあっても失うわけにはいかない。代わりはない。まさに命をかけても守らなければならない唯一無二の存在、それが“大切なあなた” なのです。
聖書によれば、神は自らの命を捧げるほどにあなたを愛してくださっていると言います。あなたは間違いなく神にとって最も大切な存在です。
そのように、自分を大切な存在だとする心を“自尊心”と言います。これは自分の存在の尊さ、つまり大切さを自覚する心です。
自尊心が欠けていると、私たちは、自分を卑下したりします。すると、価値のないことや、自分を傷つけるようなことをしたりします。自分で自分のことを大切に思えなければ、他者のことも大切にすることはできません。
現代に生きる多くの人が、自尊心が欠けています。自分で自分のことを大切に思えない人が増えています。そこで、自尊心を満たそうとするために、過度に人の期待に応えたり、競争に勝とうとしたり、人に評価されるために無理をしたり……ということになりがちです。でも、それらでは自尊心は満たされることはありません。
私たちは、気づきたいのです。神にとって自分がどれほど大切な存在なのか。
神の愛の中で、自分の本当の姿を、自尊心を取り戻して、価値ある人生を歩みましょう。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道。
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