明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。
今回は第12号の全文をご紹介します。
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私たちは、自分の存在価値をどのように測っているだろうか。
測るためには、基準となる指標が必要だ。その指標によって、価値判断が違ってくる。指標には、いろいろあると思うが、少なくとも以下のものが考えられるだろう。
まず、価値とは、少なければ少ないほど高くなる。あえて多くを作らないで、数量限定とすることで商品の価値と単価を上げることがある。
2020年は、サンマが大不漁ということで、一尾六千円の値段がついたそうだ。いきなり超高級魚の仲間入りだ。サンマ自体は、何も変わっていないのだが、数が少ないことで価値が一気に上がってしまった。
また、物の価値とは、その作者によって決まる。ただの落書きだと思っていたら、それは、バンクシーが描いたものだと分かった瞬間に、そこがいきなり名所になったりする。
同じ土から作った器でも、素人が作ったものと、人間国宝が作ったものでは、価値が全く違ってくるだろう。さらに、愛する幼子が、無邪気に作った工作の器は、それもまた最高に価値あるものに違いない。
だれがそれを作ったのかが、その物の価値を決めてゆくのだ。
さらに、物の価値とは、それを手に入れるために、どれだけの犠牲を払ったかということで決まる。払った金額もそうだが、何件も店を回ってやっと見つけたものと、簡単に手に入ったものとでは思い入れが違う。
どれだけ時間と労力をかけ、犠牲を払ったかということが、その物の価値を決める。
それでは、自分という存在の価値は、この指標によれば、どうだろう?
希少価値で言えば、世界人口の約70億人分の一ではなく、歴史に存在したすべての人間の数が分母となる。
そう考えると、「自分」という存在は、世界で最も少ない存在である。文字通りオンリーワン、代わりのない、唯一無二の存在なのだ。
作者によって決まると言えば、そもそも私たちは誰に作られたのだろうか。
聖書に書かれているように、神という存在があり、その神が人間を造ったということであれば、私たちの作者は、神である。そうなれば、私たちは、神の作品ということだ。神はあなたを「最高傑作品」と言っている。これ以上の価値はないだろう。
どれだけ犠牲を払ったかということであれば、神は、あなたをご自分のものにするために、十字架にまでかかってくださった。十字架という残酷な刑罰の道具が、愛のシンボルとしてアクセサリーになったり、教会に飾られたりするのは、ここに神の愛が現れているからだ。
神は、ご自身の命を捨てるほどに私たちを愛してくださった。それほどの価値が、あなたにあるのだ。
こう考えると、自分という存在の価値は、とてつもなく高いことが分かる。
そのような価値ある自分を生きたいとだれもが願う。しかし、鍋の底の焦げのように、心の底にこびり付いている考え方がある。
それは、自分の価値とは、“何かをすることによって高くなる” という考え方だ。何ができるか、できないかによって、価値が決まると思い込んでいる。
存在の価値とは、そのような行動で測れるものではない。存在の価値とは、存在そのものに価値があるということなのだ。
良い事をしたから価値が上がるのではなく、もともと価値ある存在だから、価値あることを行うようになるのだ。
鍋の焦げも、何度もこすっていたらだんだん取れてくる。毎日毎日、自分の存在価値を確認しよう。呼吸をするくらいに自然に、息を吸うたびに「愛されている」、吐くたびに「最高の存在」と心の中で繰り返してみよう。それは、本当のことなのだから。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道、サーフィン。
Illustration by Rutsuko
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