明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。今回は第17号の全文をご紹介します。気に入ったコラムは、このページの最後から、無料でダウンロードしてA4用紙にプリントアウトできます。気に入ったらぜひプリントして周りの方に手渡してください。
子どもの成長過程には、一般的に「反抗期」と呼ばれる時期がある。しかし、それは「急成長」している時期であり、子どもの成長にとって欠かせない大切な時期なのだ。
成長は伸ばすものだが、反抗は戒めなければならない。その対応は正反対になる。
というわけで、この時期を「反抗期」ではなく「急成長期」として受け止めて、その成長を伸ばすことが子育ての勘どころとなる。
親とは違う自分の考えを持ち、それを表現することは成長だ。自分のやりたい事、やりたくない事を親に対して表現することも成長だ。親の決めたレールや理想に対して、自分の意志を持ってノーと言うことも成長だ。
しかし、その表現は稚拙だ。時には雑で、生意気で、言葉も足らず、親にしてみれば「ムカッ」とくることもある。しかし、その表現の仕方、言葉の使い方に関して教えることは大切だが、表現したこと自体を怒って否定してはならない。ここで成長自体を否定してしまうと、子どもはふてくされた態度を取るだろう。それが親には反抗と見えるので、ますます怒られるという悪循環になってしまう。そして本当の反抗になる。
急成長期を、反抗期にしてしまうのは、親の対応にかかっていると言える。
しかし、子どもは確かに親に反抗する。もしそれが成長ではなく、親に対する反抗であれば、それは決して許容してはならない。「反抗」をしっかりと戒めないと、子どもは自分の欲求を治められない大人になってしまう。
それでは反抗とは何だろうか。それは「親を支配すること」だ。親を自分の思った通りに動かそうとすることなのだ。
親が子どもの人格を支配しないのと同じように、子どもにも親の人格を支配させてはならない。
子どもは、実に巧みに親をコントロールしようとする。小さい子どもでも、父、母、祖父母の誰のところに行ったら願いがかなうかをよく知っている。
泣いたり、すねたり、怒ったり、どのような態度をすれば、親は言うことを聞くかもよく知っている。
おもちゃ売り場の前で、子どもが手足をばたつかせて「買って！買って！」と暴れている。まるで、これを買わなかったら人生が終わるというくらい必死で暴れる。
そこで、もし親が根負けして買ってあげてしまうと、子どもは、暴れれば親は言うことを聞いてくれると学習してしまう。
親が買わないと決めたら、根比べだ。親はここで妥協してはならない。
子どもは、親に正しく治められることで、自分の欲求を治められる大人になれる。
もちろん、親が買ってよいと判断したら、買ってあげていい。子どもの欲求に、すべてダメと言うことではない。
逆に親が子どもを脅かし、暴言、暴力によって言うことをきかせようするなら、それは子どもが暴れて親をコントロールすることと変わりがない。親自身がその親に正しく治められたことがなかったのかもしれない。
子どもは、自分の欲求がかなわない時には、暴れることで自分の感情を表現するのだと学習してしまう。
大切なのは、親が子どもを正しく治めることだ。正しく治めるとは、子どもの人格を尊重し、愛し、励まし、善悪を教えることだ。
間違ったことをした時には、怒りをぶつけるのではなく、愛をもって教え、戒める者でありたい。
そのためには、まず親である自分自身が、正しく治められるという経験が必要だ。
神は、私たちを神の子どもとして、正しく治めてくださる。愛をもって私たちを治め、善悪の判断を教えてくださる。聖書には、神の愛と、善悪の判断基準が書かれている。正しく治められる子どもは幸せだ。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道、サーフィン。
Illustration by Rutsuko
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