明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。今回は第24号の全文をご紹介します。このコラムは、このページの最後から、無料でダウンロードしてA4用紙にプリントアウトできます。気に入ったらぜひプリントして周りの方に手渡してください。
私たちは誰もが、ありのままの自分を受け入れて ほしいと願っている。最近では「承認欲求」という言葉が使われたりするが、その意味は、「自分を価値ある存在として認めてほしい」ということだ。
その欲求を満たすために、つまり自分を価値ある存在として認めてもらうためにはどうしたらいいのだろうか。
ある場合には、自分を偽って周りに合わせ、周囲の期待に応えるために無理をし、良い人を演じ、本当の自分を押し殺しながら、承認されることを求めることもある。
まるで冷徹で厳格な検査官の前で、「承認」というハンコを押してもらうことを求めるかのようだ。
そうすると皮肉なことに、ありのままの自分を受け入れて欲しいのに、ますますありのままの自分の姿を失っていく。
そんなあなたに、神さまは優しく語りかけている。
もう無理しなくてもいい、期待に応えなくてもいい、良い人でなくてもいい、あなたは世界でたった一人の唯一の存在だから、とてもとても大切な存在だから、あなたが愛されるための条件は、あなたがあなたであることだけ、それだけで十分。だから「そのままでいい」。すでに、あなたは承認されている。大丈夫、あなたは、あなたのままで最高に価値ある存在だから。
愛することは、ありのままを受け入れることだ。しかし、実際にその愛を実行しようとすると、それがいかに難しいかが分かる。
ありのままを受け入れるということは、その人をこちらの物差しで評価しない、こちらの価値観で判断しない、こちらの期待を押し付けない、こちらの好み通りに変えようとしない…。
つまり、こちら側の都合をすべて手放して、「そのままでいいんだよ」と言ってあげることだ。
いや、しかしそんなこと言ったら悪い事をしている人は、平気で悪い事をし続けるのでは? そのままでは良くないこともたくさんあるでしょ、と言いたくもなる。
しかし、ここで言っている「そのままでいいんだよ」とは、その人の行動ではなく、存在価値を肯定する言葉なのだ。
人は、存在のありのままを受け入れられるとき、愛されていることを実感する。自分の存在が肯定されると、価値あることを考え、行動するようになる。何より他者の存在を肯定できるようになる。
逆に存在が否定されると、自分を傷つけ、人を傷つけるような、価値のない行動を取るようになってしまう。
私たちの心のキャパシティは、どのくらいの広さだろうか。どこまで、その人のありのままを受け入れることができるだろうか。
それは、自分自身がどれだけ受け入れられたかによる。つまり、どれほど自分のありのままを受け入れられ、自分の存在価値が認められたのかという経験による。
それにしても、「ありのままの自分」とは、どんな自分なのだろうか。
これが意外と考え込んでしまう。果たしてありのままの自分とは…?
それは、心が丸裸にされた状態だ。一切の覆いも、防衛の壁もない。何も隠されていない、そのままの自分の姿。
それは、とても素晴らしい自分なのか、それとも…。
神さまは、そのありのままのあなたを愛しているのだ。もし、その自分が、とても傷つき、弱く、罪深い自分であったとしても、そのすべてを知った上で、それでもなお、神さまにとって、あなたの存在の尊さは変わらない、あなたが最高に価値ある存在であることは変わらない、それが神の愛なのだ。
その愛に生きるとき、私たちの心も、広くなっていくのだろう。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道、サーフィン。
Illustration by Rutsuko
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