明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。今回は第29号の全文をご紹介します。このコラムは、このページの最後から、無料でダウンロードしてA4用紙にプリントアウトできます。気に入ったらぜひプリントして周りの方に手渡してください。
祝福とは、どのような意味だろうか？ それは、相手の存在を喜ぶことだ。「あなたを祝福します」ということは、「あなたの存在は、私にとって喜びです」という意味になる。
米国では、挨拶言葉のように「God BlessYou」と言う。それは、「神さまにとって、あなたの存在は、喜びです」という意味だ。とても素敵な言葉だと思う。
愛することは、祝福すること、つまりその存在を喜ぶことだ。
逆に相手の存在を疎外し無視する、つまり存在を否定することは、祝福の反対語で「呪い」と言う。なんだか、あまり聞きたくない言葉だ。
私たちは、祝福する者でありたい。その時、相手はもちろんのこと、自分自身も幸せだ。祝福には不思議な特徴があって、祝福すると、その祝福は必ず自分に返ってくる。これを祝福のブーメラン現象という。
祝福があちらこちらでブーメランのように飛び交う、そんな世の中になったら素晴らしい。
しかし実際問題として、自分自身のことを振り返ってもそうだが、自分を祝福してくれる人を祝福することはできるが、自分に敵対する者、傷つける者、悪い者を祝福するというのはあり得ない、むしろ呪いたくなる。
あるいは、相手のことよりも自分のことで精一杯で、とても相手を祝福する余裕などないこともある。
どんな相手でも、どんな時でも祝福するというのはとても難しい。
しかし、相手の存在を否定するとき、それもまた自分自身に返ってくる。呪いもまたブーメランなのだ。
自己肯定感とは” I am Okay. You are Okay” という生き方からもたらされる。だから、もし相手の存在を否定するなら、自分の自己肯定感も損なわれてしまうのだ。
実際に、相手を否定することによって得られる一時的な自己肯定感というのは、実は自分自身を深く傷つけているのだ。
しかしたとえ難しくあっても、それでもなお私たちは祝福する者でありたい。相手がどうであれ、自分がどうであれ、変わらない生き方として、祝福する者でありたい。
どうしたら、そのような者になれるのだろうか。
実は、先ほどの” I am Okay. You are Okay” では、不十分なのだ。これでは真の自己肯定感を持つことはできない。
以下は、私の友人のＴ牧師の言葉だが、彼は次のように言った。” I am not Okay. You are not Okay. But it is Okay “
自分も不完全である。すべての人を無条件で祝福するほどの完全な愛は持っていない。相手も同じように不完全だ。お互いOkayではない。これが現実ではないだろうか。
しかし、その自分の弱さを知るときに、一筋の光が射し込んでくる。
“I am not Okay” である自分、にもかかわらず、自分の存在は喜びなのだ。何ができるか、何を持っているかではなく、ただ存在が喜びなのだ。
誰がそんなに喜んでくださっているのか？ 自分の存在を無条件で、どんな時も変わらずに愛し続けてくれる、それは聖書に記されている神だ。
神は、あなたを祝福する神なのだ。「そして、見よ、天から声があり、こう告げた。『これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ。』」（マタイ3章17節 新改訳2017）
神にとって、あなたは祝福の存在、喜びの存在なのだ。神にとって、あなたはいつでも“Okay” なのだ。
この神の祝福に自分が生きるときに、自分もまた、他者を祝福する者になっていけるのだ。この世の中を祝福で満たそう。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道、サーフィン。
Illustration by Rutsuko
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