明るくあたたかい文章が人気のメッセージ「関真士のAmazing LIFE」を、WEBコラムとして不定期でご紹介しています。今回は第32号の全文をご紹介します。このコラムは、このページの最後から、無料でダウンロードしてA4用紙にプリントアウトできます。気に入ったらぜひプリントして周りの方に手渡してください。
マザー・テレサがニューヨークに、その施設を建てた時、一人の記者がマザーに質問した。
「マザー、あなたの施設が貧しいインドのカルカッタに必要なのは分かります。しかしここは豊かな大都市ニューヨークです。ここにあなたの施設は必要でしょうか?」
マザーは「ここには、孤独という貧しさがある」と答えた。そしてマザーが日本に来日した時「日本は世界で最も貧しい国です」と言われたそうだ。
ある哲学者は、「孤独とは人里離れた山奥にあるのではなく、都会の雑踏の中にある」と言った。
確かに、大勢の人に囲まれていても、どれだけの人が私という存在を知り、関心を持ち、理解し、受け入れてくれるだろうかと思うと、余計に強く孤独を感じることがある。
一方で、たくさん傷ついて、もう人と関わるのがしんどくなってしまって、自分の部屋に閉じこもり、孤独の闇に取り込まれてしまうこともあるだろう。
あるいは、本当は孤独なのに、孤独ではないふりをして、一生懸命に明るい自分を演じて疲れ果てているということもあるかもしれない。
この地球の上にたった一人ぽつんと立っているような、どうしようもない孤独感が襲ってくる、孤独はつらい…。
一方で、人間とは本来孤独な生き物だと達観したように言うこともある。結局人間は、一人で生まれ、一人で死んでいく。自分の人生は、世界でたった一人の自分の人生なのだ。人間とは、本来孤独なのだと。
だから、孤独であることを否定するのではなく、孤独と友達になり、孤独を受け入れて生きてゆくという考え方もある。
確かに一理はある。しかし、それでもなお孤独では生きていけないのが人間だ。なぜなら人間とは「誰かと共に生きる存在」だからだ。
興味深いことに、聖書の創世記には、神による天地創造と、人間創造の様子が記されている。神は、最初に人類の始祖であるアダムを造られた。そして、神が創造された世界は「非常に良かった」と聖書には書かれている。しかし、たった一つだけ神が「良くない」と言われたことがあるのだ。それは「人が一人でいるのは良くない」ということだ。そして神は、妻となるエバを造られたのだ。
孤独とは、良くないことなのだ。私たちは、大勢の中にいる時も一人だけの時も孤独を感じることがある。この孤独という心の空洞はどうやったら埋まるのだろうか。自分は一人じゃないと、どうしたら思えるのだろうか。
どこにいるのだろうか。私がここに生きていることを知り、理解し、受け入れ、絶対に離れることなく、変わることなく愛してくれる、そんな共に生きてくれる存在は…。
「人が一人でいるのは良くない」と言われた神は、私たちの孤独の苦しみ、つらさを分かってくださる。孤独がどんなにつらい事かを知っていてくださる。だから一人でいるのは「良くない」と言われたのだ。
私たちの究極の孤独は、自分が孤独であることを誰にも言えない、誰にも分かってもらえないということだ。
自分が孤独であるということを誰か一人でも分かってくれていると知るなら、私たちは孤独ではなくなる。
孤独でなくなるために頑張るのではなく、孤独のつらさを分かってくれる方がいることを知る時が、孤独という心の空洞が埋まる時なのだ。
あなたの孤独を知っていてくださる方、それはあなたを造り、愛してくださっているまことの神である。
1964年東京生まれ。荒れ果てた10代を過ごし、20歳の時にコックの仕事で渡米し、クリスチャンとなる。その後、27歳で東京聖書学院を卒業し牧師となる。40歳の時にハワイにあるホノルル・キリスト教会の牧師となり現在に至る。家族は、愛する妻と4人の子供。趣味は、料理と茶道、サーフィン。
プリントアウトが難しい方、大量に必要な方向けに、実費のみ(50枚以上50枚単位)で印刷してお届けするサービスもございます。詳しくは宣教部(TEL.049-296-0706)までお問い合わせください。
Copyright © 新生宣教団 All rights reserved.