こんにちは、pontaです。
「聖書」に興味を持ち、「聖書を読んでみたい」と思う方も多いと思いますが、では実際に日本にはどのような聖書があり、またどこで入手すればよいのでしょうか。
どれを買えば良いのかと悩む人も少なくないでしょう。
日本では聖書は簡単に購入できますが、実は「聖書」と言っても、色々な種類があります。
今回はその種類や入手方法について、聖書印刷を専門とする私たちが簡単に解説します。
「旧約聖書」や「新約聖書」の内容についてざっくり知りたいという方は、こちらの記事もお読みください↓
目次
日本語聖書には幾つかの翻訳があります。
日本聖書協会からは、現在4種の日本語訳の聖書が発行されていて、これらすべての翻訳聖書を入手することができます。
宣教師ヘボンらによって、1874年から翻訳が開始され、1887年に発行されました。聖書協会として初めて発行した日本語聖書です。文語調の文章は趣が深く、今なお愛読者が多い聖書です。
戦後の日本において、文章においても口語体が一般化する中、聖書についても口語体への改訳の要望が強くなりました。そこで、平易簡明の文体を用いた翻訳が日本の聖書学者によって行われ、1955年に発行されました。主にプロテスタント教会に広く普及した聖書です。
1987年に発行された新共同訳聖書は、カトリック教会とプロテスタント教会の聖書学者が共同して翻訳したものです。現在のカトリック、プロテスタントの教会、ミッションスクールで広く普及しています。カトリック教会では、旧新約聖書66巻以外に、旧約聖書続編(第二聖典アポクリファ)13巻も用いていますが、新共同訳にはこの続編付きの聖書も66巻のみの聖書も両方あり、どちらも購入できます。
2018年に発行された最新の訳です。先のカトリックとプロテスタントの教会の聖書学者が共同して、世界最大の聖書翻訳ネットワーク「聖書協会世界連盟UBS」の最新の研究成果を反映し、また、聖書を「礼拝での朗読にふさわしい」文章に翻訳するという指針を明確に設定して翻訳されました。
内容的にも最新の研究が反映されているだけでなく、日本語の文章としても、格調の高い美しい日本語文章に整えられています。翻訳作業には、聖書学者だけでなく、国語学者も加わり共同によって文章が整えられています。こちらの聖書にも66巻の聖書と、続編付き聖書があります。
1960年代に設立された「新改訳聖書刊行会」は、福音主義に立つ諸教会を中心に、「聖書を『偽りなき神のみことば』と告白する福音主義の立場」に立ち、わかりやすく「特定の神学立場に傾かず、言語的に妥当であるかを尊重する」方針で翻訳が進められました。プロテスタント教会を中心に広く普及しています。
日本聖書刊行会からは「新改訳」、「新改訳2017」の2種が、またいのちのことば社からは「リビングバイブル」という日本語聖書が刊行されています。
(日本聖書刊行会では、最新訳の聖書のみを提供するという方針ですので、「新改訳2017」が発行された現在では、「新改訳」は基本的に購入することができません。)
1970年に初版が発行され、1978年に改定を加えた第2版を発行、2003年にはさらに改定を加えた第3版が刊行されました。
2017年に、新改訳聖書を全面的に改定して出版されました。
アメリカの神学者ケネス・テスラーによって制作されたものをいのちのことば社が日本語訳したものです。テスラーは、「アメリカ標準訳聖書ASV」を日常使われる言葉に意訳し、日本においては、福音主義に基づく平易な訳文として提供されています。2016年には改訂が行われ、「会話の表現を落ち着いた調子に」変更し、全般に渡って表現をよりわかりやすく適切なものにしました。
まだ何もない時、神様は天と地をお造りになりました。地球はまだ形が定まらずやみにおおわれた氷の上を、さらに神様の霊がおおっていました。
(創世記1:1-2)
上記の訳は、教会の公用聖書として礼拝でも使われ、日本における主要な聖書訳と言えますが、その他にもパラフレーズ(個人訳)のようなものがあります。教会の公用聖書ではないという意味では、一般的ではありませんが、聖書理解を深めることを手助けしてくれます。いろいろな訳が存在していますので、代表的なものをご紹介します。
聖書キリスト教会の初代主任牧師の尾山令仁師が翻訳した聖書で1983年に現代訳聖書刊行会から発行されました。そもそも聖書に素養のない日本人向けに、聖書注解書などを使わず、原文の意味を正確に理解できるようにと翻訳されています。
創造主訳は、現代訳聖書を底本として、文中の「神」の表現を、偶像として用いられるものを除きすべて「創造主」に置き換えた訳です。「神」は日本人の一般的な解釈「八百万の神々」とは全く異なる、「天地の造り主」としての「神」としての解釈に基づき、「創造主訳聖書刊行会」訳、ロゴス出版から、2013年に発行されました。
聖書にも色々な訳があることがおわかり頂けたと思います。また、聖書は色々な形(出版形態)で販売されています。
一般の方が最もよく目にするのは、新約聖書だけのものでしょう。しかし、実はその他にも色々な形で販売されているのです。
1.旧新約聖書 | 旧約、新約聖書を一緒にした聖書 |
2.旧新約聖書続編つき | 旧新約聖書に旧約聖書続編を加えた聖書 |
3.旧約聖書 | 文字通り旧約聖書だけの聖書 |
4.旧約聖書続編つき | 旧約聖書に続編を加えた聖書 |
5.新約聖書 | 文字通り新約聖書だけの聖書 |
6.新約聖書詩篇つき | 新約聖書に旧約の詩篇を加えた聖書 |
7.新約聖書詩編箴言つき | 新約聖書に旧約の詩編と箴言を加えた聖書 |
本来は、紀元前から紀元後1世紀までの400年間に成立した宗教文書で、旧約聖書のギリシャ語訳の「70人訳聖書」が発行された時に、これらの文章も加えられていました。
初期のキリスト者は旧約聖書にこの13書も加えていましたが、カトリックでは最初の10書を「第二正典」と呼んで正典として認めています。
続編は「新共同訳」「聖書協会共同訳」でのみ翻訳・収録されています。
続編書簡一覧:
トビト記 ユディト記 エステル記(ギリシャ語) マカバイ記Ⅰ・Ⅱ 知恵の書 シラ書 バルク書 エレミヤの手紙 ダニエル書補遺 エズラ記 (ギリシャ語) エズラ記 (ラテン語) マナセの祈り
引照つき聖書とは、聖書理解の助けになるように並行記事、相似するテーマや教え、語句、各種説明などが載った聖書の他の部分の書名章節を欄外に記してある聖書です。聖書理解を深めながら読むことができます。
また、注つき聖書は、底本を離れる場合の「異読」、他の翻訳聖書と解釈が異なる場合の「別訳」などが記載された聖書です。
新改訳聖書・新改訳聖書2017では、標準でこの引照や注が付いています。
聖書本文の他に、各書の概説や、各ぺージの欄外に「生活習慣、社会背景、地理的状況、歴史的背景」や神学的解釈の解説が記載された聖書です。
聖書はその用途を想定して、色々な大きさと装丁があります。
一番サイズやデザインのバリエーションが豊富なのは、日本聖書協会が発行している「新共同訳聖書」になります。
ここでは、主要な大きさや種類をご紹介します。
基本的な聖書のサイズはA5判になりますが、訳によっては様々なサイズのバリエーションがあります。この他にも、訳によっては教会の講壇用の大型聖書や、超小型の「ポケット聖書」などもあります。
大型聖書 | A5判 | すべての聖書の基本サイズ |
中型聖書 | B6判・四六判 | 聖書協会共同訳・新共同訳・口語訳・新改訳2017 |
小型聖書 | A6判 | 聖書協会共同訳・新共同訳 |
もっとも一般的なものはクロス装ですが、訳によっては、装丁についても色々なバージョンがあります。
革装丁の聖書 | 一番聖書らしい革装丁の聖書です。耐久性は非常に優れています。 |
クロス装丁の聖書 | 芯ボールを使っているので、割と硬い表紙の聖書です。 |
ビニール装丁の聖書 | ビニールを装丁なので、柔らかく扱い安い聖書です。 |
ジッパー・サムインデックス付き聖書 | 小口側をジッパーでカバーしてるので持ち歩きに便利です。 |
この他にも、ペーパーバック的な装丁の聖書もあります。
「新共同訳聖書」で展開しているシリーズで、聖書の小口部分にジッパー(ファスナー)をつけることで、コンパクトで傷みにくい構造になった聖書です。持ち歩きする場合でも広がらず便利です。
サムインデックスとは、小口部分に切込みを入れ、聖書の箇所を引きやすくした聖書です。
サイズやカラーバリエーションも豊富な人気のシリーズです。
聖書には、色々な種類があることをおわかりいただけたでしょうか?ただ、あまり多くご紹介しても迷ってしまいますね。それにすべての書を揃えた旧新約聖書は、本当に分厚くて、読むのはちょっと大変かしれません。
私の個人的な意見ですが、初心者方で、とにかく聖書を持ってみたい、ちょっと使ってみたいと思っている方は、最初の聖書として、新約聖書詩編箴言付きを選んでみてはいかがでしょう。
福音書からはじまるイエス様の生誕以降の27の新約聖書と、詩編、箴言がついたものは、少しづつ読みすすめるのに丁度良いボリュームだと思います。
もっとも、教会に行こうと思っている方は、その教会で使われている訳を入手されたほうが便利だと思います。
スマホアプリなどを利用すれば、聖書を無料で読むこともできます。
もし興味がありましたら、まずは試しにダウンロードして使ってみてはいかがでしょうか?
読めるだけではなく、なんと耳で聴くことができる画期的なアプリです。
誰もが知っている俳優たちが、情感たっぷりに聖書を朗読しています。
「聖書 新改訳2017」を採用していて、すべて無料で利用できます。
世界1600カ国語以上、2400以上の訳の聖書を読むことができる無料アプリです。
日本語では「聖書 新共同訳」「聖書 口語訳」と「リビングバイブル」を読むことができます。読書プランなどの便利な機能も備わっています。
聖書には多くの種類があることがわかったと思います。これらは、大型書店であればどこでも購入できると思いますが、多くの種類の中から選びたいという方は、バイブルハウス南青山(日本聖書協会直営店)やいのちのことば社通販サイトWINGSなどで見ることができますし、購入することができます。
「聖書 協会共同訳」「聖書 新共同訳」「口語訳聖書」「文語訳聖書」「聖書 新改訳2017」「リビングバイブル」「個人訳」などの聖書を取り扱っています。
「聖書 新改訳2017」「リビングバイブル」などの聖書を取り扱っています。
まだクリスチャンでなくても、聖書に時々触れることは非常に有意義なことだと思います。
それほど、聖書は多くのことを私たちに示してくれると思います。
これをお読みになった方が、聖書に興味を持って頂けることを願ってやみません。
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