こんにちは、ひよこです!
突然ですがみなさんは聖書についてどのようなイメージを持っていますか?
分厚いし読むには難しそう……。そう思われる方も少なくないと思います。しかし……!
実はこの聖書、現在世界で最も読まれている本であり、世界一のベストセラーなんです!
なぜ聖書はこんなにも多くの人に読まれているのでしょうか?
聖書は「旧約聖書」と「新約聖書」の2部構成になっていますが、今日はそのうちの後半部分「新約聖書」について紹介したいと思います。
きっとこれを読み終わるころには新約聖書を読んでみたくてうずうずしているでしょう!
前半部分の旧約聖書について詳しく知りたい方はこちらから↓↓
3歳の時からプロテスタント教会に通う。東京基督教大学で神学とユースミニストリーについて学び、卒業後新生宣教団に勤める。趣味は絵を描くこと、賛美と楽器演奏(ピアノ・バイオリン・ウクレレetc...)。神様と教会が大好きな20代クリスチャン!若さを活かして読みやすい、興味を持ってもらえるような記事を目指しています!
新約聖書のあらすじと内容を見る前に、主な登場人物を簡単にご紹介します。
新約聖書とは、27巻からなるキリスト教の正典です。
「新約」とは、イエス・キリストを通して神が人と結ばれた「新しい契約」のことを指し、旧約聖書の「旧約」に対比させた名称です。
旧約聖書はイスラエルの民の歴史であり、その歴史の中からダビデという王様が現れ、その家系から人類の救い主が誕生するという約束が与えられていました。これが古(旧)い契約の内容です。新約聖書では、その約束されていた救い主がこの世に来られたということと、その活動と教えが書かれています。
旧約聖書も新約聖書も多くの話題について述べていますが、中心となるメッセージはユダヤ人の救い主イエス・キリストが世に来られて、すべての人のための救いの道を備えてくださるというものです。
その救いの道というのは、イエス・キリストが人の罪のために死に、そして墓に葬られ3日目に復活したことを受け入れ信じるというもので、信じた人は神の子とされ、永遠の命が与えられると書かれています。
新約聖書は西暦45年から95年の間に書かれたとされています。旧約聖書は約1000年かかって完成しましたが、新約聖書は約50年で完成しました。
イエス・キリストの昇天後に、弟子たちがまとめた書物です。
新約聖書を開くとまず、キリストの生涯で始まり、次に教会について語られ、その次にその教会に命令を与え、最後に教会とこの世界の未来を明らかにしています。
けれども、各書は書かれた順に並んでいるのではありません。それらは、必要性が生じるたびに書かれたのです。
最初に書かれたのは、誕生して間もない諸教会に書かれた手紙です。それらはヤコブの手紙、ガラテヤ人への手紙、テサロニケ人への手紙で、1世紀の半ば頃に書かれたようです。執筆された順ではその次が四つの福音書で、マタイの福音書かマルコの福音書が最初、次にルカの福音書、最後にヨハネの福音書と続きます。最後に書かれたのはヨハネの黙示録で、おそらく1世紀の終わり近くでしょう。
新約聖書は27の書巻から構成されています。しかし、それらは一人が書いたものではなく、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、パウロ、ヤコブ、ペテロ、ユダ、そしてヘブル人への手紙の著書が書き記したものです。
著者たちの背景や職業は、実にさまざまで、漁師や取税人、医者もいました。あらゆる背景と職業を持った人たちが書いているのにも関わらず、聖書は最初から最後まで一貫性があり、矛盾は一つもありません。
なぜならこれらの著者の背後に本当の著者がいるからです。それは全知全能の「神」です。すべてが人間によるものであり、同時にすべてが神によるものなので、その結果原本においては、誤りのない完璧な書物ができあがったのです。
新約聖書は、コイネーギリシャ語という1世紀に話されていた最も日常的なギリシャ語で書かれました。コイネーは「共通の」という意味で、それは今日の英語のように良く知られ、当時広く用いられており、地中海世界の共通言語として使われていました。
しかし、イエスが話していたのはアラム語で、弟子たちはおもにヘブル語を話していました。ではなぜ、ギリシャ語で書かれたのでしょうか?
当時、ローマ帝国の言語はラテン語でしたが、多くの地域ではラテン語よりもギリシャ語が公用語として使われていました。それは、アレクサンドロス大王による東方遠征の影響を受け、広大なヘレニズムの世界が展開されていたことが背景にあります。ギリシャ文化とペルシャ文化の融合が進む時代で、中にはギリシャ語しか話せないユダヤ人もいました。
また、新約聖書の著者である弟子たちは、聖書の教えがユダヤ人だけに広まるのではなく、より広い地域で読まれ、後世に伝えるためにギリシャ語を選んだとも言われています。そのため14世紀に初めて英訳された聖書は、現在3200以上の言語に翻訳されていると言われています。
さあ! 新約聖書の概略がわかったところで次はいよいよ内容です。
新約聖書は大きく5つに区分されています。
1.福音書 | イエス・キリストの誕生、公生涯、教え、死と復活について |
2.歴史書 | イエスの福音を世界に伝えるために遣わされた弟子たちの働きについて |
3.パウロ書簡 | パウロが諸教会や個人へ宛てて書いた手紙 |
4.公同書簡 | パウロ書簡には含まれない、一般の教会・個人に宛てて書かれた手紙 |
5.黙示録 | この世の終わりに起こる出来事の預言について |
「福音」ということばは「良い知らせ」という意味です。ですからこの福音書では、イエスが人々の救い主となってくださったというすばらしいニュース(良い知らせ)を伝えています。
4人の著者のそれぞれの名前をとって「マタイの福音書」、「マルコの福音書」、「ルカの福音書」、「ヨハネの福音書」の4つから成り四福音書と呼ばれています。
いずれもイエス・キリストの誕生、公生涯、教え、死と復活について記していますが、それぞれの強調点は異なっています。
しかし、矛盾のない4つの視点から描いており、イエスが旧約聖書で約束されていたメシヤ(救い主)として、新約聖書全体の教えの土台を敷いた様子が書かれています。
ちなみに、四福音書のうち、「ヨハネによる福音書」以外の3巻は内容や構成がそっくりなので、まとめて“共観福音書”と呼ばれています。
開いてみるといきなり名前がびっしり書かれた系図がでてきますが、それは旧約時代のアブラハムとダビデの子孫からメシヤが生まれるという約束が、イエスが生まれることによって成就したということを示しています。
このようにマタイの福音書は旧約聖書からの引用が多く、最もユダヤ的な書と言えるでしょう。
マタイが主にユダヤ人読者に宛てて書いたのとは違い、ローマの、特に異邦人と呼ばれる外国人のキリスト者たちに宛てられていたようです。
この書の特徴はイエスの教えよりも行動に重点が置いてあり、簡潔に書かれています。
マルコは、イエスの弟子となるという事がどういう事なのかを教えるために、イエスの生涯を記録したのです。
この書の特徴は、綿密な歴史を順序立てて書いてある事です。それは医者であり、歴史家でもあったルカの性格かもしれませんが、他の福音書では省略されているようなことも詳細に書かれています。
またルカは、聖書の書物を執筆した唯一の異邦人でもあります。イエスの語ったたとえ話を多く記し、文学的に“史上最も美しい本”とも言われています。
この書は特定の人々に書かれたのではなく、イエスの福音を必要とする全ての人へ向けて書かれているため、どんな人にも訴えるものがあります。
共観福音書と言われる他の3つの福音書とは異なり、年代順にイエスの生涯を紹介することはなく、イエスが“神の子”であることを強調しているためもっとも神学的な内容になっています。
使徒の働きは、その名の通りイエスの死後、イエスの福音を世界に伝えるために遣わされた弟子たちの働きがルカの手によって書かれています。ルカの福音書の続編であり、この後紹介するパウロ書簡への理解を深める重要な書です。
教会が誕生してからの30年を描いた歴史的記録であり、教会の急速的な成長の様子や、イエスの福音が伝わる様子、それに対して積み重なっていった迫害について書いてあります。
多くの弟子たちが福音を教えていましたが、その中でもパウロという人物はとても影響力のある人でした。
パウロは当初、厳格なユダヤ教徒で、キリスト教徒を徹底的に迫害し、殺害にも同意していました。
しかし、天からのイエスの声を聞いたことをきっかけに回心し、パウロはそれまでの人生とは正反対に、迫害を受けながらも神を愛し神の言葉を力強く語るようになりました。
使徒の働きはそのほとんどが、パウロがローマ帝国の東部を行き来する伝道旅行の工程を記しています。そんな彼が書き残した手紙が次に紹介するパウロ書簡です。
パウロ書簡とは、パウロが書いたローマ人への手紙からピレモンへの手紙までの13通を指しています。(ヘブル人への手紙の著者はパウロではないという説も多くここでは省かれる場合があります。)
ある地域の教会に向けて書いた手紙もあれば、多くのユダヤ人に向けて書いた手紙、また個人に宛てて書いた手紙もあります。
それらの手紙の一貫したテーマは、“人間の救い”であり、キリスト者にとって信じるべき教理や生き方について書いてあります。
先程少しパウロについて触れましたが、イエスがメシヤであることを悟ったパウロのその後の人生は、暗殺されそうになったり、投獄されたりと苦痛に満ちたものでした。
それでもパウロは3回の伝道旅行をしながら各地に教会を建て上げ、信徒たちを励まし、イエスの教えをまっすぐに伝えていきました。
パウロ書簡はさらに「四大書簡」「獄中書簡」「牧会書簡」の大きく3つに分類することができます。
「ローマ人への手紙」「コリント人への手紙第1」「コリント人への手紙第2」「ガラテヤ人への手紙」これらの4書は規模も大きく内容も充実していることから、「四大書簡」と呼ばれています。
「エペソ人への手紙」「ピリピ人への手紙」「コロサイ人への手紙」「ピレモンへの手紙」の4書が含まれ、61年~63年頃パウロがローマで捕らえられ、獄中で書いたと一般的には考えられています。
「テモテへの手紙第1」「テモテへの手紙第2」「テトスへの手紙」この3書は、パウロの協力者でもあったテモテとテトスへ宛てた手紙で、彼らに託した教会を良く指導するように「牧会」に関する教会のあり方や、信徒の導き方について書いてあるため、牧会書簡と呼ばれています。
「公同」とは「一般に認められた」という意味を持ち、これらの書簡がある特定の地方教会や個人にあてられているというよりも、むしろ教会一般に向けられていることから、この呼称が用いられたと考えられています。
ただ7つの書簡には相互に共通したものがそれほど見当たるわけでもなく、パウロ書簡には属さないからという理由から区別されているとも考えられています。
公同書簡はパウロ書簡が描いているものとは違った形で初代教会の実情を知る貴重な資料を提供していると言えるでしょう。
ヨハネの黙示録は新約聖書内の唯一の預言書であり、ギリシャのパトモス島に流刑となっていた使徒ヨハネが神から示された幻を記したものです。
黙示録では地上の国の滅亡と、神の国の到来を示していて、この世の終わりに起こる出来事の預言が記されています。
キリスト者でない人に下される、永遠に経験する最後の炎についての記述もあり、この世界がすぐ終わり、裁きが始まるという最後の警告の役目を持っていますが、同時に天国の素晴らしさと教会についての神の約束の成就についても明らかにしています。
「黙示文学」という形式で、象徴的な言葉や表現で神の啓示を述べているため、他の書物とは違う独特な雰囲気を感じるかもしれません。
新約聖書をテーマにした映画は数多くあります。今回はその中からいくつかピックアップしてご紹介します。気軽に聖書の世界を覗いてみませんか?
メル・ギブソン監督の「イエスの受難」をテーマとした映画で、イエス・キリストの最後の12時間を写実的に描いています。
イエスが誕生してから復活するまでを、12使徒最後の生き残りであるヨハネの視点で語られるスペクタルドラマです。
神を信じないローマの百人隊長視点で、イエス・キリストの復活が当時の人にとってどれほどの影響を与えたのかを描いた映画です。
新約聖書に収められたパウロ書簡で知られる、キリスト教を迫害する立場から回心した使徒パウロの物語です。
ちょっと番外編となりますが、“ヨハネの黙示録”をモチーフとして制作されたフィクション映画です。突如として数100万人もの人々が忽然と姿を消し、世界に“終末”が迫り来る様を描いています。
新約聖書を題材とした様々なマンガが作られていますが、特におすすめなのは、日本聖書協会監修のもと「新約聖書」を忠実に、丁寧に描かれた「みんなのマンガ聖書シリーズ」です。
フルカラー288ページ(黙示録は144ページ)なので、普通に読んでも1冊1時間ぐらいで読めてしまいます。とにかく、ざっくり理解したいという方にはうってつけのマンガです。
イエス・キリストの生涯を記した4つの福音書を忠実にマンガ化したもの。
イエスの誕生物語、イエスと弟子たちの歩み、十字架と復活までが生き生きと描かれています。
聖書箇所:[マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネによる福音書]
イエスが復活して昇天した後の使徒たちの働きをマンガにしたものです。どのようにして教会が誕生して行ったのか、伝道旅行の様子などが躍動感たっぷりに描かれています。
地図などの資料も豊富。パウロ書簡のダイジェストも含まれていて、どのようにして福音が広まっていったかをわかりやすく知ることができます。
聖書箇所:[使徒言行録]
ローマ帝国による迫害のさなか、使徒ヨハネにイエスより明かされた真実―死者の復活、最後の審判、万物の刷新と完成に至るまでの苦難の道のり。神の慰めとキリスト再臨の約束が事細かに描かれています。
聖書箇所:[黙示録]
みなさんも1度は聞いたことがある「目からウロコ」や、「豚に真珠」という言葉は、実は新約聖書からきているものなんです!
意外とみなさんも生活の中で知らないうちに聖書に触れていることがあるかもしれませんね。そんな新約聖書についてざっくり紹介してきましたが、ぜひ実際に聖書を手にとり読んでみてください!
新約聖書の冒頭に出てくるマタイの福音書は、文中でもお話したようにユダヤ人を対象に書かれたもので、いきなり系図がでてくるので挫折してしまうかもしれません。。!
ある程度聖書の知識がついてきてから読むといいかもしれませんね。なのでわかりやすいマルコやルカの福音書から読むのをおすすめします!
以上ひよこでした。
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