宣教報告会レポート(2021年②)

宣教報告会レポート
 

宣教報告会が開催されました!

宣教報告会

去る11月19日(金)の夜19:00から、オンライン宣教報告会が開催されました。
約40名の方がリモートでご参加くださり、恵まれたひとときとなりました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

迫害国への聖書配布活動をしているミッションパートナーの宣教師から、A国の最新の宣教事情などを分かち合っていただき、宣教部からは国内宣教活動のレポートと証をお分かちしました。
質疑応答や祈り合いの時を持つことができ、皆様との交流に大変励ましを受けました。

この記事ではA国への聖書配布活動をしている宣教師からの、宣教報告会でのメッセージをお分かちします。
※キリスト教が迫害下にある国での話題となりますので、ここでは国の名前などは伏せさせていただきます。またメッセージは部分的に抜粋しています。

 

A国の宣教報告レポート

迫害下にある兄弟姉妹のために私たちに課せられた任務

このカンファレンスに参加できるすばらしい特権を感謝します。
私は1991年から30年間、新生宣教団に仕えることができています。そのうちの20年の主な働きはA国に関する働きです。
A国のクリスチャンに仕えることができるということは本当に素晴らしい特権です。今日の私のメッセージが皆さんに祝福とチャレンジを与えるものであるようにと願っています。

ではまず初めにみ言葉を読みたいと思います。

風を警戒している人は種を蒔かない。雨雲を見ている人は、借り入れをしない。
伝道の書11:4

状況に左右されずに

皆さんの中で今日一日でも、また先週、先月のうち、一日でも、コロナの状況について、話さなかった方がいらっしゃるでしょうか。私たちは周りの情報に影響を受けやすい存在です。

しかし聖書を読むと、神様は私たちに「状況に左右されるな」と言われます。今ここで言いたいことは、私たちが置かれている状況を全く考慮するなと言っているのではありません。ただ問いたいことは、厳しい状況下に置かれたときに、私たちはキリストの弟子としてどのように生きるべきかということです。

A国ではこのコロナの中で、キリスト教を抑え込むための新しい法律が制定され、宗教活動のためにSNS等を用いることもできなくなっています。(※迫害の詳細が報告されましたがここでは伏せています)

しかしこのような方法でクリスチャンが福音を語ることを止めることはできません。それはA国のクリスチャンたちの目が状況に向けられているのではなく、イエス様に向けられているからです。
ダニエル書をお読みします。

「…しかし、拝むことをしないならば、ただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる。いったい、どの神が、わたしの手からあなたがたを救うことができようか」。
シャデラク、メシャクおよびアベデネゴは王に答えて言った、「ネブカデネザルよ、この事について、お答えする必要はありません。
もしそんなことになれば、わたしたちの仕えている神は、その火の燃える炉から、わたしたちを救い出すことができます。また王よ、あなたの手から、わたしたちを救い出されます。
たといそうでなくても、王よ、ご承知ください。わたしたちはあなたの神々に仕えず、またあなたの立てた金の像を拝みません」。
ダニエル書3:15~18

私はこの登場人物である「シャデラク、メシャク、アベデネゴ」、この3人の姿勢が本当に大好きです。この書を読むと、私はA国にいるクリスチャンの兄弟姉妹の顔が脳裏に浮かびます。
彼らは神様が自分たちを助けることができるということを知っていました。でももし神様が助けてくださらなかったとしても、彼らはその金の像を拝む気は毛頭ありませんし、妥協しませんでした。

それはパウロも同じです。パウロも状況に目を奪われるようなことはありませんでした。
パウロは投獄中にも座り込んで落胆することはなく、とても力強い手紙をいくつも書きました。ご承知のように、それらの手紙が現代の私たちの信仰のガイドラインとなっています。

福音は鎖につながれない

また聖書をお読みしたいと思います。

ダビデの子孫として生れ、死人のうちからよみがえったイエス・キリストを、いつも思っていなさい。これがわたしの福音である。
この福音のために、わたしは悪者のように苦しめられ、ついに鎖につながれるに至った。しかし、神の言はつながれてはいない。
テモテへの第二の手紙2:8~9

パウロは投獄され、まるで犯罪者のように鎖につながれていましたが、一つのことを理解していました。それは彼自身がたとえ牢にいたとしても、彼の伝える福音は生きていて、それは自由であるということです。いくら厳しい状況にあったとしても、神の言葉は生きていて自由であるということを知っていました。

私たちはいとも簡単に状況に影響されやすい者です。なぜなら私たちは人間だからです。しかし神様は、「私に信頼しなさい」と言われます。
聖書を読んで伝道の歴史に目を向けると、どの時代でも迫害はリバイバルへと繋がっていったことを、私たちは見ることができます。
初代のクリスチャンが迫害を受けたとき、迫害者自身が主の宣教命令に従うために一役買いました。

サウロは、ステパノを殺すことに賛成していた。その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起り、使徒以外の者はことごとく、ユダヤとサマリヤとの地方に散らされて行った。
使徒行伝8:1

主イエスは福音をエルサレム、ユダヤ、サマリヤで宣べ伝えなければならないと伝えました。しかしそれらの場所は、当時、簡単に旅に行ける場所ではなかったのです。エルサレムに住んでいた人たちは、サマリヤに住んでいる人たちを見下していました。
この当時まだ教会は新しく、急成長の中にありました。ペテロが宣教した時に、3000人の人たちが主イエスを信じました。そんな中サウルとその仲間がエルサレムにやってきて、信者を迫害しはじめました。
聖書を読むと、その迫害のために信者たちはユダとサマリヤの地に散らされていったということが分かります。このことがリバイバルへと繋がり、御国の前進へと繋がっていきました。

エルサレムに留まっていた時は「良い時」でした。大きな集会を持ったり、リバイバルが起きたり……しかし突然迫害がやってきました。
でもそれは御国の拡大へと繋がっていったのです。

現在A国では、全人口の15%がクリスチャンであると言われています。クリスチャン国と呼ばれる私の国でも、クリスチャンの割合はたった10%です。そのような状況でもA国はA国のクリスチャンを苦しめています。

キリスト教が非常に弾圧されている状況で、A国のクリスチャンはギブアップしたでしょうか。いいえ、彼らは前進し続けています。彼らはグループをさらに細分化しながら進化し続けています。彼らの目は置かれた状況ではなく、主イエスに注がれています。

私たちに与えられた使命

私の心に響いた一つのみ言葉をご紹介します。

もし一つの肢体が悩めば、ほかの肢体もみな共に悩み、一つの肢体が尊ばれると、ほかの肢体もみな共に喜ぶ。
コリント人への第一の手紙12:26

私が思うに、西欧諸国や信教の自由が守られている日本のクリスチャンには、迫害下にある兄弟姉妹を助けるという責任が託されていると思います。
新生宣教団のミニストリーに心から感謝します。新生宣教団があるからこそ聖書が欠けている人たちに聖書を届けるという働きができるからです。本当に多くの国で聖書が欠乏しています。世界で3億人もの人が、たった一つの聖句すら、母国語で読む機会がありません。私たちの任務は、母国語の聖書を持たない人々に聖書を届けることです。

私は何年も、聖書を待っている人々に聖書を届けるという特権にあずかってきました。彼らは泣いて喜び、あるいは飛び跳ねて喜んで聖書を受け取っていました。
新生宣教団ではA国のために非常に多くの聖書を印刷しています。この働きを支えて捧げてくださっている皆さまに心から感謝いたします。
私たちは力を合わせれば大きなことを成し遂げることができます。

主を見上げて

現在コロナによってA国が完全に閉鎖され、聖書を運ぶことができなくなってしまっていて、仲介者からはいつも「いつ持ってきてくれるのか」と連絡が来ます。
彼らは聖書を本当に心待ちにしています。私たちは祈りながら国境が開くのを待っています。一番初めに読んだみ言葉をお読みします。

風を警戒している人は種を蒔かない。雨雲を見ている人は、借り入れをしない。
伝道の書11:4

もし私たちがこの状況を見るなら、すべて諦めるしかないでしょう。でも私たちは神を信じ、来るべきタイミングを待ち続ける必要があります。

迫害下にある兄弟姉妹から学んだことがあります。イエス様に目を留め、主に託されたことをやり続けるという信仰です。

信仰の導き手であり、またその完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、走ろうではないか。彼は、自分の前におかれている喜びのゆえに、恥をもいとわないで十字架を忍び、神の御座の右に座するに至ったのである。
ヘブル人への手紙 12:2

私たちは目をイエス様に向けなければなりません。彼らを見ると、苦しみの真っただ中にいても目がイエス様に向けられています。天の御国ではよろこびが待っていることを見ています。

しかしわたしたちは、この宝を土の器の中に持っている。その測り知れない力は神のものであって、わたしたちから出たものでないことが、あらわれるためである。
わたしたちは、四方から患難を受けても窮しない。途方にくれても行き詰まらない。
迫害に会っても見捨てられない。倒されても滅びない。
いつもイエスの死をこの身に負うている。それはまた、イエスのいのちが、この身に現れるためである。
コリント人への第二の手紙4:7~10

この書を見ると、A国の兄弟姉妹が目に浮かびます。彼らは押しつぶされても滅びず、迫害されていますが忘れられていません。彼らにとって迫害されるということは信徒であるということを意味します。
パウロは神様に喜ばれる生き方をすれば迫害を受けると書いています。

いったい、キリスト・イエスにあって信心深く生きようとする者は、みな、迫害を受ける。
テモテへの第二の手紙 3:12

コロナの被害にあったとき、西側諸国はマヒ状態になってしまいました。教会は閉鎖され、すべてのことは停滞しました。これが過ぎ去るのを待つことしかできませんでした。日本でどのようにされていたかわかりませんが、私の国ではネットで礼拝が配信されていましたが、その他の活動はすべて中止されました。

でもA国では違います。コロナ渦にあって、A国のクリスチャンたちは活動的でした。
迫害が厳しさを増すパンデミックのさなか、A国のクリスチャンたちは防護服を着て町でマスクとトラクトを配りました。

政府はクリスチャンを恐れ、さまざまな圧力をかけています。どんなに締め付けても彼らが潰れず、数がますます増えていくからです。
ここでまた先ほどの聖句を読みたいと思います。

わたしたちは、四方から患難を受けても窮しない。途方にくれても行き詰まらない。
迫害に会っても見捨てられない。倒されても滅びない。
コリント人への第二の手紙4:8~9

過去2年間のうちにA国内での迫害が増加しましたが、A国のクリスチャンは、これは大して驚くべきことではないと言います。
彼らは過去70年の間迫害の中にいました。彼らにとって迫害は至って聖書的なことであり、普通なことであると捉えられているのです。

私たちは彼らに対して何ができるでしょうか。
私たちが彼らにそう問いかけると、彼らはいつも決まってこう答えます。
「私たちのために祈ってください。そして聖書を持ってきてください。」

私たちは祈ることができます。迫害下にある教会のことを忘れないでください。
そして最も大切な「聖書」を彼らに送るという使命を覚えてください。

新生宣教団を支えてくださって本当にありがとうございます。
一緒に力を合わせることで、神様から託された仕事を成し遂げることができます。
神様の祝福をお祈りします。ありがとうございました。


現在もA国のクリスチャンは厳しい迫害の中、聖書を待ち望んでいます。
しかしそのような中にあっても主を見上げ、そのタイミングを待ち続けて、A国の人々のために覚えて祈っていきましょう。
彼らの信仰が守られるように、また一日も早く、聖書を送り届けることができるように。

具体的な迫害の状況などは宣教報告会でこれからも報告させていただきます。宣教報告会は不定期で開催されています。その都度ご案内しますので、どうぞお気軽にご参加ください。
またこの働きを覚えてお祈りください。

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新生宣教団はキリスト教超教派の団体として、1954年に「新生運動協力会」として設立されて以来、児童伝道、放送伝道、文書伝道などを行ってきました。今ではこれらの活動は文書伝道(印刷)に集約されています。
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