新年明けましておめでとうございます!
いつも新生宣教団の働きを覚えてお祈りとご支援を賜り、ありがとうございます。
今年も新生宣教団をどうぞよろしくお願いいたします。
今年もすでに、様々な国への聖書や福音文書印刷の計画をいただいています。
今回はその中から、ロマの人々へ送られることが計画されているマンガのプロジェクトをご紹介します!
聖書のない人々に、あらゆる言語で神様の御言葉を送り続けているミッションパートナーのPioneer Bible Translators(PBT)と共に、差別と迫害の歴史を持つウクライナのロマ民族のために、『マンガ メサイア』を5つの少数言語(Vlakh Romani, Carpathian Romani, Crimean Romani, Servi Romani, Lovari Romani)に翻訳し、印刷して送り届ける予定です。
ロマはヨーロッパを中心に世界中でおよそ1000~1200万人が暮らしている、インドを発祥の地とする移動民族です。
従来「ジプシー」などと呼ばれてきた人々ですが、彼らは自身のことを「ロマ」「ロマニ」と呼んでいます。
ロマの人々は周囲の無理解やエキゾチックな風貌や、「流浪の民」といったステレオタイプなイメージから差別的に扱われ、迫害されてきました。
500有余年の奴隷生活と、ホロコーストによる大量虐殺は、彼らの不幸な歴史の代表例です。
ナチスはユダヤ人と同様に、ロマの人々を迫害しました。しかし、ユダヤ人の悲劇に対して、ロマの悲劇は忘れ去られています。
またコソボ紛争ではセルビア人とアルバニア人の双方から迫害を受け、アルバニア人の死体処理をさせられるなど、周囲の民族はロマを自分たちの都合にあわせて利用してきました。
スイスでは「ロマの子どもを誘拐して親から引き離して強制的に精神病院や施設に収容し、成人するまで家族との接触を一切禁じる」ということが、1972年までの46年間、政府関係者も加担して行われてきました。この活動はロマ文化の消滅を目的としていました。
現在、世界各地でロマの人びとの定住化が進んでいます。しかし、ロマが市街地に住むことを快く思わない人々が存在するため、ロマ民族が暮らす多くの国では、彼らを積極的に保護しようとはしません。移転先が確保されないまま、居住地を追われることも珍しくありません。
ロマの人々は数多くの問題をかかえており、特に教育、就職、住宅の問題は深刻です。反ロマ感情による差別から「家が借りられない」「就職できない」といったケースも多く、それゆえ生活に困り犯罪率が増加するという、差別と貧困の悪循環に陥っています。
ロマ社会における女性の問題もあります。職がなく、アルコール依存症になった夫から暴力を受けたり、借金返済のために売春を強要されるといったケースが少なくありません。
マスメディアの報道により「窃盗癖」「人さらい」「不潔」という短絡的で誤った情報が伝えられています。
「子どもの教育や地域社会の安定のため」などとロマへの抑圧を正当化し、ロマに責任転嫁する国もあります。雇用不安や社会への不満のはけ口、外国人排斥の動きに、反ロマ感情が利用されるのです。
歴史的に文字を使わないロマは、自分たちの窮状や見解を訴える手段が不足しています。ロマのアイデンティティーを尊重・保持していくためには、彼らの状況に合わせた対策が必要です。
今回配布が計画されているウクライナには、約26万人のロマが暮らしていると言われています。
ウクライナでは国民の情勢不安がロマの人々への差別意識や憎悪感情へと向かい、ロマのキャンプが襲撃されるなどの事件も後を絶ちません。
ミッションパートナーPBTでは、彼らにとって必要な数多くの物の中でも特に、神の言葉である「聖書」を届けようとしています。
識字率が高くないロマの人々、とくに子どもや若者にとっては、より視覚的に理解しやすく興味をもちやすいマンガ聖書は有効です。
苦難の中にあるロマの人々に、神の愛と希望の福音を伝えるために、このプロジェクトが祝福されるようにお祈りください。
またプロジェクトの進展がありましたらお知らせします。
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