ミッションパートナー紹介「聖書同盟」【前編】

聖書同盟とは【前編】
 

新生宣教団にお仕事をご依頼くださっているミッションパートナーをご紹介するこのシリーズ。
今回ご紹介するのは「聖書同盟」です。青少年伝道の働きの名称は「CSK(中学生聖書クラブ協力会)」です。

インタビューに応じてくださった嶋田主事聖書同盟とはどんな働きなのか、聖書同盟の嶋田博考総主事兼CSK主事にお話を伺いました。

前編と後編に分けてお届けします!前編となる今記事では、聖書同盟の成り立ちと、その活動内容をご紹介いたします。

 

聖書同盟の働きについてインタビュー

聖書同盟

聖書同盟とはどのような団体ですか?

聖書同盟はイギリスから始まった働きで、世界の約130の国と地域にあるスクリプチャー・ユニオン(Scripture Union: 略称SU)の働きです。一つの国でも語圏や地域によって複数の団体がある場合があります。他の国や地域と協力しつつ、聖書通読運動と青少年伝道運動をその働きとする宣教団体です。

現在の聖書同盟の活動は具体的にどのようなものですか?

聖書通読運動

聖書イメージまずは聖書通読運動です。
キリスト者が神の民としてこの地上を歩むということ、そのためには若い時から聖書によって教え導かれることが重要です。そして神を日々あがめ、主とともに生きる力と喜びをいただくことが大切です。
ですから一人ひとりが神様との交わりの中で日々聖書を読んで、主の御声を聞いて養われていく生活をすることを励まし、その助けとなる出版物を発行しています。

具体的には聖書通読を兼ねたデボーションガイドの「みことばの光」と、中高生のための「ジュニアみことばの光」や、聖書通読や信仰生活の助けとなる書籍を出版しています。
主事という名のスタッフが諸教会を訪問させていただいて、セミナーを開催するといったことも行っています。礼拝説教や中高生の集まりの訪問も喜んでいたします。

数年前から「みことば生活」ということばが一つのキーワードとして与えられていて、多くの人々のみことば生活にお仕えするのが、私たちの働きだと再確認しています。
一人ひとりのクリスチャンがノンクリスチャンに福音を伝えるのももちろん大事ですが、みことばとともに歩む生活をまだ自分のものにしていない兄弟姉妹に、それを心から勧めていくということも大切なことだと思います。クリスチャンがみことば生活をともにしながら励まし合う、そんなイメージを共有したいなと願っています。

聖書通読のしおりという聖書通読表も提供していて、こちらはお申し込みがありましたら無料(送料のみ)で配布しています。聖書同盟のホームページでは聖書通読のGoogleカレンダーも公開していて、それを取り込んでいただくと、ご自分のGoogleカレンダーにその日の通読箇所が表示されるようになります。

●「みことばの光」、「ジュニアみことばの光」はこちらからご注文いただけます。
聖書同盟公式WEBサイトいのちのことば社通販サイトWINGSゴスペル・ライト・ストアバイブルハウス南青山

●聖書通読表やカレンダーのお申込みはこちら
聖書同盟公式WEBサイト

CSK(中学生聖書クラブ協力会)

CSKという青少年の働きも行っています。CSKもまた運動です。複数の教会が協力する中高生伝道を推し進めるムーブメントです。1968年にスタートした働きですが、関係はありつつも、当時は聖書同盟とは別の働きでした。
CSKキャンプという教会協力での中高生キャンプに開催協力(後援)したり、CSK中学科教師研修会という、教会の中高科教師や中高生会スタッフのための研修会を開催したりしています。
そして中高生のための聖書通読誌「ジュニアみことばの光(通称:ジュニみこ)」の編集・発行・普及活動を行っています。
もともと近い団体として協力関係にはあったのですが、1984年にCSKと聖書同盟が合同しました。それ以来一つの団体として活動し、聖書同盟の中にCSK委員会(旧CSK理事会)があります。

キャンプイメージ関西地区CSKキャンプは残念ながら、最後の春キャンプを行って、活動が終了しました。現在行っているキャンプは、関東の教会が協力して行っている、CSKインキャンプ(施設内で活動するキャンプ)とCSKアウトキャンプ(アウトドア活動のキャンプ)という二つのキャンプです。
これは中高生を対象とした教会学校中高科および教会の中高生会の合同キャンプです。CSK全体の特徴ですが、どちらかといえば中学生に重きを置いた中高生伝道で、中学生にわかりやすいメッセージを心がけています。このキャンプは中高生がだれでもすぐに参加できるというものではなく、参加教会の協力を基本とする中高生キャンプというかたちで行なっています。
具体的には、キャンプの一年前から、来年のキャンプに参加を表明した協力教会のスタッフが集まって準備をスタートし、4月には改めて呼びかけを行っています。教会としての参加をお願いしていますので、実際のキャンプには中高生だけではなく教会の代表者であるスタッフも参加していただくことになります。多い時にはスタッフと中高生が半々ぐらいになることもあります。
もし関心を持たれた教会がありましたら、まずはお問い合わせください。
聖書同盟公式WEBサイト

生涯にわたるみことばを愛する生活とその継承

聖書同盟では全世代の方にみことばを愛する生活を心から勧めさせていただきますが、神様の御心は主にある教会の中でそのことが行われるということだと思っています。
そういう意味で、聖書同盟はその手助けをさせていただくのだと考えています。そのために、様々な工夫をしていて、たとえば「みことばの光」と「ジュニアみことばの光」では同じ箇所を読むようになっています。ただ年齢差における配慮をしていて、ふさわしいボリュームや内容であるよう編集しています。
家庭礼拝などで一緒に使っていただくのももちろんですが、それぞれに聖書通読を行っていたとしても、家族間で信仰についての話題を共有したり、同じ教会の人同士で信仰を励まし合ったりできると思っています。

聖書同盟の成り立ちについて教えてください

ジョサイア・スパイアズイギリスのロンドンで1867年に活動がスタートしましたが、実は最初はCSSM(児童特別伝道協会)という、子どものための働きからでした。
ジョサイア・スパイアズという人が、教会に来ている子どもたちがただ親に連れられて来ているだけという状況を見て、「子どもたちがイエス様の話や聖書にある話を本当に理解したら、もっと生き生きとした信仰を持つことができる」というビジョンを持ってこの働きを始め、短期間でイギリス全土に広がりました。

CSSMの働きは、どのようにして聖書通読活動へと発展していったのでしょうか?

ビーチ伝道CSSMは元々とても素朴な働きで、例えば海岸(ビーチ)伝道などを行っていました。海岸に遊びに来ている子どもたちを集めて、砂に「JESUS」というアルファベットを書き「この文字を貝殻や石で飾ってごらん」と持ち掛けます。子どもたちは喜んで遊びに参加し、飾り終えたところで「イエス様はね…」と語り始める、とこんな様子でした。

アニー・マーストンこの素朴な子どもたちのための働きが、どのようにして聖書通読運動へとつながっていったかというと、アニー・マーストンという小学校の教師でもあった一人の熱心な姉妹がきっかけでした。
彼女は教会学校の教師でしたが、子どもたちの信仰成長のためには聖書を毎日読むことが必要だと考え、毎週日曜日に、翌日から読む一週間分の聖書通読箇所を子どもたちに手渡していました。ですが、次第にそれが大変になってきて、CSSMに子どもたちのための聖書通読表を作ってくれないかと協力を要請をしたのです。
CSSMは最初は消極的でしたが、マーストンの熱意が伝わって、1878年CSSMの中に、スクリプチャー・ユニオン(Scripture Union)という部門を結成したのです。そして子どもたちのために毎日の通読箇所を書いた聖書通読表を発行したのです。
そして1887年には解説書付きの聖書通読表を発行しはじめました。さらに、聖書通読の必要は子どもだけではないということで、『デイリーブレッド』という通読誌を発行し、この働きが世界に広がっていきました。

まず大人のための聖書通読の働きがあって、子どものための働きがそれに続いたのだろうと推測されるかもしれませんが、実際には神様の導きは逆で、まず子どものための働きがあって、そこからムーブメントが広がっていったんです。
世界中に多くの方の信仰生活を支える、こういった聖書通読テキストがありますが、そのさきがけでありました。

日本でこの働きが始まったのはいつごろだったのでしょうか?

アデレイデ・ホイットニーアジアの中で最も早く働きが伝わったのは日本でした。アメリカ人のアデレイデ・ホイットニーという16歳の少女が、ロンドン滞在中にスクリプチャー・ユニオンの働きに接しました。
その後家族で来日するのですが、ホイットニーは「ぜひ日本の教会にこのスクリプチャー・ユニオンの働きを紹介したい」という思いを持ちつつ、津田仙(つだ・せん)という方とコンタクトを取りました。この津田仙は、津田塾大学の創立者である津田梅子の父です。
そうして、ホイットニーは日本人指導者たちの協力を得て、「聖書之友(せいしょのとも)」という会を発足しました。それが1883年(明治16年)のことです。

聖書之友ではまず聖書通読計画表を発行し、そのあと解説付きの通読書を発行するようになりました。日本でも初めての聖書通読運動でした。
この働きは教派を超えて、明治・大正・昭和と広がりました。多いときは日本国内で800の支部と、2万人の会員が与えられたそうです。
そして1922年から聖書之友少年部というものも誕生しました。初等科・中等科・高等科という聖書日課を発行して、子どもたちが日々聖書に親しむための活動を続けたということでした。子どもたちには当時の文語訳聖書は難解であったかもしれませんが、郵送でテキストを添削をして、信仰を励ますような働きもしていたそうです。

しかし残念ながら戦時中の紙不足や、政府によるキリスト教の弾圧によって、1943年の6月号をもって、聖書之友の活動は中止をせざるを得なくなりました。

聖書同盟として戦後の再スタート

敗戦後の1954年、聖書同盟として働きが再スタートします。終戦後のキリスト教ブームや、また戦時下のクリスチャンの信仰に対する反省が背景にありました。クリスチャンがしっかりと聖書のみことばにつながっていく必要がある、牧師に頼った信仰ではなく、一人ひとりの信仰者が自立した信仰を持つ必要があると知らされ、それが働きを始める力となったと思います。

初代の舟喜順一総主事をはじめとする、発起人となった当時の教会の指導者たちは、イギリスのスクリプチャーユニオンと再度連絡を取りました。1954年に聖書同盟という名称で新たな働きをスタートし、準備を始めて、1955年の1月から聖書通読誌「みことばの光」の発行を開始しました。
それ以来、主のあわれみによって途切れることなく、現在では毎月発行されています。


聖書同盟にはとても長い歴史があり、世界や日本のクリスチャンたちが聖書に親しむ生活を、かなり以前から支えてきた団体であることがわかりました。
また、クリスチャンがお互いに励まし合い、信仰を育み合うというビジョンをもって活動されているということも印象的でした。

後編では、実際に聖書同盟が出版している「みことばの光」「ジュニアみことばの光」、そのほかの出版物についてもさらに詳しくご紹介し、近々行われるイベントや、聖書通読について嶋田先生の体験も交えてお話しをご紹介します!どうぞお楽しみに。

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